このような言葉を耳にしたことはありませんか?
「お客様の身になって考えてみなさい」

あなたも聞いたことがあると思います。

サービスをする際にも
「お客様の気持ちになって考えれば、どのようなサービスが良いかわかるでしょう?」

料理でも
「お客様のことを考えて作れば、おのずと答えはわかるはず」

なんて言われたことはありませんか?

 
でも実際本当にお客様の身になって考えることは、なかなかできないものです。

なぜなら

どうしても“自分”というフィルターを通してしまうので、

お客様の目線で考えようと思っていても、
気付く範囲は限られてしまいます。

 

かといって、お客様に直接
「本音のところ、このお店はどう思いますか?」
と聞いても、曖昧な答えしか返ってこないでしょう。

 

そこで、
今回は、『どうしてもお客様目線になってしまう方法vol.1』をお伝えします。
その方法とは、

自分(経営者)自身が、自分の店に食べに行く

ことです。

(注*経営者自身がメインとなって働いていて、任せられる人がいない場合は当てはまりません。)

 

それを聞いて

「なーんだ、そんなことならたまにしていますよ」

「そんなことしなくても、普段現場にいて仕事をしていればわかりますよ」

なんて声も聞こえてきそうですが、

 

この方法はただ食べに行くだけではありません。

お店の顧客像を意識して来店するのです。
どういう事かと言うと、

お客様に高齢の方が多い場合、

あなた(経営者)が自分の店に訪れるとき、
家から店に来るまで、そして食べ終わって家に帰るまで

高齢者のフリをするのです。

すると今まで見えてこなかった部分が発見できます。
ただやるからにはとことん演技することです。

腰が曲がっている、目が見えにくい、歩くスピードが遅い

色々な要素を自分自身体験してみると、

「メニューの文字が小さすぎるかも」
「普段は気にしていなかったが、この床の段差につまずく」
「料理が固くて、噛みきれない」
「もう少し、サービスしてくれる人が気を使って大きな声で言ってくれると助かる」

などなど、
今まで全く気付かなかったことが見えてきます。

 

その他にも、
お祝い事やデートなどで利用するお客様が多い店の場合、

服装をスーツでバシッと決め、身だしなみも格好も普段と違う物にすると、

「意外に料理を食べるときに袖口が気になる」
「身だしなみを整えるとき、トイレの鏡が汚いことに気付いた」
「この席に座っていると、ライトの証明が意外に気になる」
「スタッフの足音がコツコツうるさい」

などの発見があるかもしれません。

 

新作料理についても、

いつも、キッチンで立って、手でつまんで試食するのと、

ちゃんと座って、お客様用の箸を使い、サーブされて食べるのとでは

同じ味だったとしても感じ方が違ってきます

 

実は長年同じ場所で働き続ける経営者は、特にこの感覚が鈍くなっているため、

どれだけ「お客様の目線で、、、」と考えていても

なかなか本当の顧客心理に気づかないのです。

 

始めて入った店の第一印象と言うのは、なかなか変わらないものです。

いかにお客様の目線に立って、お店の改革ができるか?
今回話した方法で、ぜひ新たな気づきを得てください。

 

ちなみに補足として、

来店してほしいお客様像や現在の優良客を主に考えて

そのお客様と同じような服装、態度、行動、恰好などを真似てみると

意外な発見(良い面も悪い面も)が見つかるかもしれません。