1万円札の真の価値

今回は、お金の価値に関する話ですが、

あなたのお店の経営と結びつけながら読みすすめていってくださいね。

 

<世の中のビジネスは“価値の提供度合い”の違いだけ>

飲食業とはシンプルに言えば、

仕入れた食材に価値を付けて提供して、その対価としてお金としていただくという

いたってシンプルなビジネスモデルです。

 

また、そのお店が仕入れる食材の業者も、

市場から質の良い食材を厳選して、店に配達するという価値を提供することで、

お金をいただく商売です。

 

そのまた前段階の、農家で野菜を作っている人も、

手間暇かけて野菜を育てている時間を価値として提供しているビジネス

ともいえるでしょう。

 

その他にもさまざまな“価値”のとらえ方はありますが、

 

色々な価値がある中で、私たちが最も身近で、最も費用対効果の高い価値を生み出している

ある“商品”があります。

 

それは何でしょうか?

 

答えは、タイトルにもあった通り【お金】です。

 

その中でも、日本国であれば、

1万円札ほど、バカ売れしている商品はないでしょう。

 

「エッ!?お金が商品?」と意外に思うかもしれませんが、

お金を商品として考えてみると、世の中の経済や構造が見えてきます。

 

そして、目に見える価値として、1万円札はとてもよい例です。

<1万円札の価値はいくら?>

 

ちょっとナゾナゾのような、頭をひねらせて考える質問だと思うかもしれませんが、

そんなことはなく、いたって簡単な質問です。

1万円の価値は1万円ではありません。

 

質問の仕方を変えます。

「1万円札の原価はいくらでしょう?」

です。

 

、、、ご存知でしょうか?

実は、原価は約23円です。

 

<1万円=23円>

 

1万円の価値のあるお札の原価は、たった23円でできているのです。結構驚きですよね。

冷静に考えれば、そうなのかなとも思いますが、、、

 

それでは、今実際に財布から1万円札を取り出してみてください。

そして、その横に23円置いてください。

 

面白いことが起きます。

 

実は23円の方が、原価が高いです(笑)

 

スゴイですよね。

 

飲食店で例えると、

 

通常、100円で仕入れたものを手を加え、料理をして価値を加えることで、

3倍かけくらいして、300円でお客さんに提供するのに対し、

 

1万円札の場合、原価が23円と言うことは、3倍どころの話ではなく、

 

なんと【約435倍】です。

 

つまり、23円の食材に価値を付けて、435倍の1万円で売っているようなものです。

 

今の私の頭では、どう考えても23円の食材を、

なにかしら手を加えても1万円として売ることは困難ですし、良心的にも難しいです(笑)

 

このように“お金”を商品としてビジネスの視点で考えてみると、とても面白いことに気付きます。

 

要するに、世の中のビジネスは、

『目に見えない価値をいかにつけるか?』

 

これがものすごく重要です。

 

1万円札が良い例で、23円しか価値のないものに、

なぜ世界中がお金に飛びつき奪い合って殺し合いまで起こるような事態になるのか?

と言えば、

 

『お金には目に見えないものすごい価値があるから』

としか言いようがありません。

 

ここでは「お金より大事なものがあるよ」のような話は置いておきますが、

 

ちょっと、あなたのビジネスとして考えてみてください。

なにかできることが見えてきませんか?

 

食材だけであれば、かなり限度があります。

 

でも例を挙げると【干しアワビ】

 

アワビは高級食材として知られていますが、

中国で5年物10年物の干しアワビとして売られているものは、

 

例えば、1kg5000円で市場で売られている採れたて新鮮なアワビが、

10年物の干しアワビとなったら、同じものでも1kg5万円とかで売られるわけです。

 

全くほぼ何も加えず、10年という時間の価値を加えて10倍の値段が取れます。

 

変な話、自分で海に潜ってアワビを採り、10年干して5万円で売ったとすると、

原価自体はかかっていないので、0円が5万円になったと同じです。

 

さきほどの1万円札よりも原価率が良いです。

 

というよりこの場合、原価0円なので究極です。

時間はかかりますが、めっちゃ儲かりますね。

 

でも1万円札は人の頭の中で作られる概念なので、

アワビと違って、5年10年と“時間”がかかりません。

 

印刷局で1万円札自体を作ってしまえば、それだけでみんなが飛びつきます^^

(*ちなみに硬貨は造幣局で作られ、紙幣は国立印刷局で作られます)

 

これを考えると、1万円札のように453倍とまではいかなくても、

時間もかからず、目に見えない価値だけでうまくできることって意外にたくさんあるように感じます。

簡単なところでは、“商品のネーミング”

 

『うまい棒』が10円で売られるものが

プレミアムうまい棒』にすることで、20円で売られるわけです。

 

実際、うまい棒の場合は、大きさや原材料もグレードアップしていますが、

 

お店の料理でも、例えば500円のお吸い物に、

金箔を浮かべて、“金箔入りお吸い物”として800円で売っても良いわけです。

 

その他でも、世界3大珍味のキャビア、トリュフ、フォアグラなど

見方によってはただ珍しいだけで、

もし、これらが大量に手に入ったり作るのがとても簡単で量産もできたら、

もっと価値は下がり、安く売られていると思います。

<人の頭のイメージが価値を作り出す>

日本中の人が「お金に価値がある」と信じ込まされている(笑)ので、

原価23円でも1万円にはそれだけの価値があるということです。

 

面白いですよね、

ただ干しアワビのように10年時間をかけるというのは、

ものすごく時間がかかるイメージがありますが、

 

本質的には同じで、

お金の価値も、これまでの歴史の中で時間をかけて価値を作り上げてきたので、今の形があります。

 

世界的に見ると、国によってまたお金の価値は変わってきますし、

日本経済が破たんしたら、本当に1万円が紙くず同然になる可能性もあります。

 

以上、

 

今日の話で、お金の概念も含め、

飲食経営に対する考え方もちょっと変わったら良いビジネスアイデアが思いつくかもしれません。

 

頑張ってください!