料理屋に最も必要な“場づくり”の概念と食べ歩きの重要さ

食べ歩きをしよう

飲食店を経営すると、自分で決めて、誰にも何も言われず好きなことをやっていける反面、

それ以上に、料理や経営以外にも予約の管理や売上計算、伝票整理など、

たくさんやらないことが増えて、週1で休みを作っても、その一日に事務作業だけで終わってしまう、、、

ってことは、特に飲食店を始めたばかりのころはあると思います。

 

また週2日店を休みにしたとしても、一日は事務仕事、もう一日は翌日店に行き仕込みをする。

という、どちらにせよ

「毎日はたらいているやん」という状況になってしまう人は多いです。

(特に小さな個人店で、ある程度単価の高いお店はそうなりがちです)

 

しかし、そんな中でも、やはり、1週間に1日は、自由な時間を作れるようになっておきたいものです。

そこで、趣味に没頭するのもいいのですが、飲食店経営者にぜひおすすめなのが、

 

「話題になっているお店の食べ歩き」です。

 

ちまたの会社員やOLのように毎日仕事終わりに、どこかのお店に食べに行けることは、私達はまずありません。

 

ですので、丸一日休みの日に、集中して、何件もの飲食店をはしごします。

 

1日に様々なお店に行くことで、比較対象ができます。

 

そうすると、お店の魅力を見つけやすくなります。

できればジャンルを固定したほうが良いでしょう。

 

例えば、

「今日一日は今話題のお店のカフェ巡りをする。」

「来週一日は人気のイタリアン店に行く」

 

とかです。

 

レストランは4~5件もはしごすることができないでしょうが、2~3件なら計画を立てれば行くことができます。

 

ただ、食事メインというより、マーケティングを学ぶために行くので、

ちょっとだけ注文してすぐ店を出る

というスタイルでも良いです。

 

あまり高単価の店ではできないので、気軽に入れるようなお店を選んではしごするのがいいでしょう。

 

1週間ごとにお店の食べ歩きもいいですが、

 

その日に何件も行く方が、前の店を覚えていますし、

「このお店に比べて、このお店はこんなところが強みなんだな」

とか

「さっきと違ってターゲット層が違うなー」

「同じ商品でもまた違う売り方や組み合わせをしているな」

など気が付く点が多くなります。

 

味の面にしても、同じ系統の飲食店をめぐることで、違いが明確に分かりますし、

こだわりの違いにも気づくことができるでしょう。

 

場づくり

実際に人気店の飲食店巡りをしていると気が付くことですが、

お店お店によって、マーケティングや料理の味の違いなどはあるにせよ、

話題の店、人気のある店に共通していることは、

「場づくり」です。

 

場の作り方は、お店によってさまざまですが、

「飲食店を通して、お客さんにこんな気持ちになってほしい」

というオーナーさんの思いが伝わってきます。

 

外観を工夫したり、サービスの仕方に特徴があったり、メニューの表記が面白かったり、

細かいオブジェなど統一されていてコンセプトが明確だったり、

 

そのお店によって、人気になる、話題になる秘密がわかると思います。

 

そして、できれば、同じ飲食店経営者同士、またはスタッフを連れて複数人で行くと、

みんなで

「このお店がなんで人気なのか?」

などを話し合うことができ、勉強になりますし、意識やモチベーションアップにもなるでしょう。

 

ここで一つ、話題店、人気店のポイントを挙げると、

「お客さんが消費者意識をもたないような“場づくり”をしている」

ことです。

 

つまり、お客さんという立場を忘れて、楽しめる空間にしている店は、繁盛しているところが多いです。

 

また、例えば、言葉の表現も上手な店が多く、

小さなカゴに、自由にとって良いお菓子などがあるとして、

「おひとつどうぞ」と書かれていたりして、

 

もしこれが

「1人につき1つまでです」

「最大2つまでです」

という表記だったら、

 

「もう一個くらいいいじゃん」とか「けちな店だなー」と思われて、

途端に消費者心理が生まれます。

 

このような部分も、何件も食べ歩きをしていると、気づくようになります。

 

場のつくりが工夫されていると、

お客さんも

「一緒に店の居心地の良い雰囲気・空間をつくっている」という感覚にさせてくれます。

 

つまり、強制的ではなく自主的にお店の応援をしたくなるのです。

 

だからこそ、リピーターやファンがいて、人気店になるのだということがわかります。

 

繁盛していない店の特徴は、

「とにかく新規のお客さんを集めたい」

という思いが前面に出てしまい、それがお客さんにも伝わってしまいます。

 

しかし、それは順番が逆で、

まずは、すでにお店に来てくれているお客さんに

「何ができるだろうか」と考えないといけません。

 

だから、今来てくれているお客さんに対し、もっと何か価値を与えられないか

 

ということをしていけば、そのお客さんがお客さんを呼んで、

自然にたくさんのお客さんが来てくれるという良い循環になります。

 

こうして、少しずつジワーっと広がるようにお店は繁栄していきます。

 

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