やはり多い質問は原価計算や歩留まりについてです。
経営者というより、
まず料理人として、管理職になる(料理長や店長)になると、絶対通る道です。
まず原価の出しかたですが、
食材一つ一つの歩留まり率を出したうえで、計算します。
そして品物の原価を割り出すのですが、
ここまでがものすごく時間がかかります。
ややこしいし、時期によって値段も変わる、、、
となるとさらにめんどくさい。
これらを自動でシステム化するのにかなり苦労しました。
店によって、商品は様々なので、こればかりは自分で作っていかなければなりません。
そして商品の値段設定ですが、
「飲食店では基本原価の3倍の値段で販売する」
と言われたりしますが、全部が全部同じようにするわけではなく、
バランスが大事です。
商品の値段の相場はだいたいわかると思います。
あなたの店の形態、単価がいくらかによっても商品の値段は変わります。
色々な要素が組み合わさり、効果が出てくるので、
商品が売れる、売上が上がる、利益が出る仕組みは思っているよりずっと複雑です。
例えば和食店でお刺身、天ぷら、おかずなど色々ありますが、
この場合、原価が一番かかるものが刺身です。
歩留まりを計算すればわかりますが、刺身単体で見るとかなり原価が高くなり、
実際のところ刺身だけ注文されると、全く利益はなくなります。
魚によっても変わってきますが、安いものではありませんし、
寿司などは原価が安く済みますが、それだけに技術のある人が必要で、人件費もかかります。
とはいっても、値段を高く設定しても売れないだけなので、
どのようにすればよいのか悩みどころです。
食材の原価を効率のよく下げる方法
一つ目 セット販売にする。
刺身と天ぷらなど、原価の高いものと安いもの(天ぷらは安く済ませられる)を組み合わせたりすることで、原価率を調整できます。
コース形式にしても良いでしょう。
二つ目 盛り付け・演出
ドライアイスを使い煙の演出をしたり、氷をふんだんに使って大きい器に盛ってボリュームを出したり、あしらいを増やしてみたり、竹を使ってみたり、姿盛りなど、、
小さい器にちょこっと盛るより、大きく豪華に見せた方がより値段も取れます。
料理人視点から言うと、質素に見えても、ちゃんと空間を利用した盛り付けで、バランスよく、切り口も立っていて、食べやすく、無駄のない良い仕事をしているな~って、ところで判断しますが、
ほとんどのお客様は、調理場でどんな細かい技術のいる仕事をしているのか知らないので、
見た目の豪華さなどで価値を感じますし、ウケが良いです。
料理人(職人肌)はその部分ジレンマを感じるでしょうが、バランスよくしてください。
三つ目 ネーミング
食材の産地を明記したり、産地直送、冬季限定など
そのほか「プリップリの~」「鮮度抜群の~」「マグロの部位でもたった2人前しか取れない幻の部位」
など、商品の名前だけでも付加価値が付けられます。
四つ目 食材を余すところなく使う
なんだかんだ、仕込みが大変で、、、などの理由により、本来使えても捨ててしまう部分はあると思います。
特に人手不足で、メニュー数を減らそうと思っているのであれば、今ある食材だけを使い、効率よく他の料理にも使えないか?などを考えなければなりません。
魚の頭でも出しに使うことができるし、骨せんべいにもなります。
それらを、先付やつまみとして出したら、実質原価0円で済むことになります。
野菜も皮などを捨てずに出しに使ったり、賄いや漬物、ジューサーにかけてもいいです。
これを徹底してやれば、ごみの量は今の半分以下になりますよ。
五つ目 B級品を使う。
これはちょっとした裏技です。
誤解しないでほしいのですが、質の悪いモノを使うのではありません。
魚屋さんや野菜屋さんなど取引している業者と仲良くなって、
市場を見に行ってください。
これ知っている人少ないですが(そんなことないかな、、?)
全く同じ魚でも(とれた場所も味も形も同じ)、ランクが分かれます。
若干傷がついていたり、すこーしだけ小さかったり大きかったり、魚のヒレがきれいじゃなかったり、
*ちなみに海外では日本ほど厳しくランク分けされることはないです。
悪いものを使えと言っているわけではないですが、
経営をするうえで、大事なのは利益を出すことなので、
料理人のこだわりで、一番良いモノしか使わない!といったこだわりより、
多少傷がついていたりなどしても、中身の味に影響がほとんどないのであれば、
安い方を使うのも一つの手です。
実は私はそのような一級品の味だけど、値段は安い食材を仕入れるのが得意です。
なんなら、業者から魚一匹、小魚なら箱ごとタダ同然で仕入れる技も知っています。
野菜もしかりです。
この情報は私と個別に話した方だけにしか言えませんが、
何はともあれ、
“お客様も業者もお互いの信頼関係で成り立っている”
と言うことです。
だって、家族のような付き合いをしていたら、色々してあげたくなるのが人間心理です。
「実家から頼んでもいないのに、毎年みかんが届いてくる」
そんな関係を周りの人と築けたら、経営どうのこうのではなく、
普通に生きていけますし、成功します。
ちょっと余計なこともしゃべりすぎましたが、
ざっと挙げるだけでもこれだけあります。
今後、飲食店をやっていくにあたり、薄利多売より、
コミュニティを大事にしていくことです。
値段を安くしてしまえば、利益も減りますし、お客様も値段だけで判断するので、食材の質が落ちたと思い余計来店しなくなるかもしれません。
客層が学生など、お金を全然持っていないなら別ですが、(それでも方法はたくさんあります)
そうでなければ、お客様との関係を重視することも大切です。
他店より値段設定が高くても、有機野菜を使っているとか、無添加のだしを使っているなど、
独自の強みを生かして、差別化をしてください。
私の経験上ですが、
客数が減ってきたときに、値段を下げたことがありましたが、
始めお客さんは増えましたが、しばらくしてまた減少していきました。
結果的に、従業員のストレス、労働時間は多くなり、利益も出ず、
質の悪いお客様が多くなり、
(質の悪いとは、クレームを言って来たり、ものすごく値段を気にして注文して来たり、予約しても平気で来なかったり、割引のときだけしか来店しなかったり、優良顧客にならないお客様のことです)
など、あまり良い方向には変わりません。
もちろん、先を見越して戦略として考えているのなら何も言いませんが、
(例えばマクドナルドのような完全素人で自動化できるような店舗を目指すなど)
そうでなければ、もういちど考えてみてください。
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