お客様の「イエス」の反応率を20~30%以上アップさせるために必要な、
“メリットを引き出す7つの要素”をお話します。
料理やお店の魅力を何倍にも引き出すための言葉マジックです。
<その1 相手の好きな事を考えてみる>
例えば、海鮮物に興味のあるお客さんに
「生ガキ入荷しました」
と言うだけではなく、
「ビックリするほどクリーミーで、美味しい地元○○産の生ガキを入荷しましたがいかがいたしますか?」
と表現したり、
料理が1人分売れ残った時でも、
「この料理は一つだけ残っています」
ではなく、
「こちら一番人気で、あと1オーダーしか残っていないので、お客様にだけご案内しますね」
など、相手の好きな事とリンクさせることで、注文率がアップします。
次に今度は逆で
<その2 嫌いな事を考えてみる>
例えば、お店にある、何かの展示物に触ってほしくない場合、
「触らないでください!」
よりも、
「衛生面よりこちらには触れないようお願いします」
と書かれていたら、わざわざ、汚いかもしれないものに触る人はいません。
これは汚いものは“嫌い”という心理を突いた言い方です。
その他、他のお客さんに迷惑になるような騒がしい子供を、静かに席についてもらいたい時、
親御さんに
「他のお客様の迷惑になりますので、お子様をテーブルに座らせてくださいませんか?」
などと伝えると
「他のお客の迷惑でもそんなの私には関係ない、、、」
と思うお客さんもいて、なかなか聞いてくれないかもしれませんが、
伝え方を変えて、、、
「料理によっては、大変熱いものを運んでおりますので、万が一お子様にかかってしまったら、
大やけどになってしまうので、席に座ってもらってもよろしいですか?」
と聞くことで、
「自分の子供がもし火傷なんてしたら嫌だ!」
と思い、
「早く連れ戻さないと!」
となるのです。
だれでも、他人より自分や自分の身の回りの人がかわいいのです。
そんな心理を突いて、好きな事や嫌いな事を見抜いて、そのお客さんのメリットとリンクさせて、
話してみたり、広告やPOPのコピーなどを考えてみてください。
<その3 認められたい欲>
もともと人は、誰かに認められたいという欲望があります。
その“認められたい欲”を満たすためには、少しくらい面倒なことでもやろうと思うのです。
これは年齢、性別に関わらず、誰にでも使えます。
お客さんが何か注文した際、追加で他の料理も頼んでもらいたい場合でも、
「お客様がご注文された○○(料理1)は、当店でも味の肥えたお客様に大人気なんですよ。
ぜひよかったら、こちらの△△(料理2)も相性がピッタリなのですが、よかったらどうですか?」
などと、お客様のオーダーした料理を最高だと認めたあと、
追加でおススメしたりすると、注文率はアップします。
もちろんお客さん以外でも通用します。
例えば職場で、掃除をお願いしたい場合、
「○○さんだと、細かいところによく気が付くからいつもキレイなんだよね。
できればここの棚も掃除お願いできないかな?」
その他、残って仕事をお願いする場合、
「君が一番責任感があるから、任せたいんだ。お願いできない?」
など、最初に一言、相手を認める言葉を付け足すだけで、言われた本人のやる気も仕事の姿勢も変わってきます。
<その4 お客さん限定>
この限定法も効果抜群で、
「初めて来店されたお客様には、特別に当店オリジナルデザートをプレゼントします」
「いつもいらっしゃっている、○○様(お客様)だけには、飲み物1杯サービスさせていただきます。」
などと
“お客様だけです”
ということを限定して伝えることで、より満足度をアップさせ、ファンにさせることができます。
その他、職場で、ミーティングに参加してもらうときでも、
「他の人は来なくても、○○さんにだけは来てほしい」
と言うことで、出席率が上がります。
このような言葉だけで、反応率を上げる方法は、ちょっと考えると色々と思いつくと思います。
ぜひ実践していただけたらと思います。
<その5 自由に選択させる>
これは、相手の好きなことを2つ以上提示することで、
“相手が選ばないという選択を与えないようにする技術”です。
選択の自由があること自体が、相手にとってのメリットとなっています。
そもそも人は“決断するのが好きではない”ですが、選択肢がある時の“比較は得意”です。
だれもが、2つ以上の選択がある場合、
「こっちがいい」
と気軽に言うことができます。
比較すること自体は“決断”ではないですが、
「こっちがいい」
と言ってしまうことで、脳内ではそれを決断したかのように錯覚してしまうのです。
その心理を使っているのが“選択”です。
お客さんに、
「こちらはいかがですか?」
と聞くよりも
「こちらとあちら、どちらがお好みですか?」
と聞いて、相手に好きな方を言わせた後に、
「よろしければ、こちらはいかがですか?」
と聞くことで、相手は、一度肯定の返事をした後なので、断りづらくなります。
このように、比較は簡単にできて、
“相手の好きなものである”上に“選べる”ことで、2つのメリットがあるのです。
選択の自由をつくることで、要求が受け入れられる可能性がぐんと高くなります。
目的は、“購入してもらう(単価を上げる)こと”です。
単価が上がれば、どちらを選択してもいいのです。
注意点としては、
「デザートかお茶かいかがですか?」
と有料と無料の物を比べると、
「とりあえずお茶で、、、」
と無料のものに行く可能性は高いので、この場合は
「デザートは、アイスクリームとパンナコッタがございますが、いかがいたしますか?」
と、のようなどちらも利益になる比較対象で聞くようにしてくだい。
この“選択の自由”は最終的にお客さんが選ぶので、
“自分で選んだ”という意識ができ、無理やり勧められている感が少なくなる効果があります。
お客様に料理をお勧めする以外でもどのような場面でも使えるので、覚えておいてください。
<その6 チームワーク化>
この方法は、相手が
“面倒くさい”
“必要があるのか?”
と思っている時に効果がある方法です。
チームワーク化とは、お願いを相手任せにするのではなく、
「一緒にやりましょう」
と、自分(達)と相手(達)を、チームワークで考えるのです。
人は一人だったらしないことを、みんなと一緒だと行動する特性があります。
もともとコミュニティを大切にするという集団意識を持っているため、
誰かがやるなら、自分もやろうと思います。
一人だと、参加するのが嫌なミーティングでも、友達とだったら行動したり、
他の人がオーダーした同じ料理を、自分も頼んだり、人は、人に誘導されて、行動をするのです。
ただ、条件として自分も動くことが前提です。
とはいっても、お客さんに何かを進める場合は、
「こちらの料理、昨日頂いたのですが、ものすごく美味しくておススメです」
など、先に行動したことを知らせることでも、効果があります。
だれかに飲み会の幹事になってほしい場合でも、
「よかったら一緒に幹事やらない?」
と伝えることで、
「幹事やってくれない?」
とお願いするよりも、イエスという確率はアップします。
この“一緒に行動する”は、人は、もともと一緒に何かをすることが好きなので、
相手に
「一緒にどう?」
と言われたら、本能で嬉しいと思うものなのです。
◆相手のメリットを引き出す最後の技術◆
いよいよ最後の7番目です。
<その7 感謝する>
最終手段にして最大の方法でもあります。これまでの方法が使えない時の手段です。
人は、お願いを叶えるために“感謝”をします。
つまり、
「ありがとう」と伝えられると、「ノー」と言いにくいのが人間なのです。
例えば、
「これお願いできますか?」
だけより
「いつもありがとう、これお願いできますか?」
このように“感謝”から入ると、相手は断りづらいのです。
代表的な言葉に
「トイレを綺麗に使ってください」
ではなく
「トイレを綺麗に使っていただき、ありがとうございます」
のほうが、効果があるのと同じように、
人は、好意を受け取ると、その相手に好意を返したくなるという気持ちが働きます。
これを心理学で“好意の返報性”というのですが、
すごく簡単なことなので、ぜひ実践して下さい。
さらには、ふだん「ありがとう」と言わないひとが
「ありがとう」と言うと、より効果があります。
感謝を伝えると、小さな信頼関係が生まれ、相手が気軽には断りにくくなります。
お願いとは、“相手との共同作業”でもあり、思ったことをそのまま伝えると、
「はい」か「いいえ」は運任せになりますが、
相手のことを想像して、言葉を伝えることで、イエスの確率がものすごく上がります。
なぜなら、これらの技術は、自分のお願いでもありますが、
相手にとってのメリットでもあるため、本能的にそうしたいと思うのです。
相手を「イエス」と言わせるための方法の答えは、“相手の中”にあります。
ぜひ、お願いする時は“相手との共同作業”というイメージを持って、伝えてください。
まとめ
最後に7ステップをまとめると、
<その1> 相手の好きな事を考えてみる
<その2> 嫌いな事を考えてみる
<その3> 認められたい欲
<その4> お客さん限定
<その5> 自由に選択させる
<その6> チームワーク化
<その7> 感謝する
です。
「YES」を引き出す方法として必ず7つのどれかが当てはまりますので、
ぜひ、取り入れてみてください。