私も、料理しかやってきていなかったので、最初は経営については全くのド素人でした。
それに、何をして良いのかわかりませんでした。
ただ言えることは、いきなり大量の情報を入れてしまうと、どれから手を付けていいのかわからないと思いますので、
少しずつ勉強していけば良いと思います。
今回は、絶対に知っておいた方がよい経営術・マインドについてお話しします。
飲食店経営をしていて儲かっているかどうかは、
<損益分岐点>を知らなければなりませんし、
店の状況をよく把握していないと難しいです。
信頼できるパートナーがいれば任せられますが、
そうでなければ自分でやらなければなりません。
誰かに任せる場合でも、
最低限必要な経営の知識は持っておかなければなりません。
最近ある方からの質問で、
家族で飲食経営をされているのですが、実際の所、
お店が儲かっているのか?儲かっていないのか?わからない
と言う質問を受けました。
その質問をされた方は、息子さんで、両親が居酒屋を経営して、
自分は手伝って、料理は教えてもらっているが、経営については教えてもらっていないらしく、
実際の所、どんぶり勘定とまではいかなくても、結構おおざっぱな経営をされているみたいです。
それで、赤字を出さずにうまく回っていれば、とりあえずは良いのですが、
その息子さんは、
「いつか自分が店を任せられた時に不安」
とのことです。
両親に聞いても、これと言った経営に関するアドバイスもなく、いままでなんだかんだ店が回っていたみたいですが、
この状況がいつまでも続くとは限りません。
質問された方(息子さん)の働いている店の状況を詳しくヒヤリングをしていないので
今のところはっきりとしたことは言えませんが、
いままで繁盛していたのは必ず理由があるはずです。
まずはその部分をよく観察し、店を分析していかなければなりませんが、
もし、売上げが低迷している状況であれば、
すぐにでも手を打たなければなりません。
もし現在、ご両親の経営がアナログな感じで、数字をしっかり把握していないのであれば、
息子さん(あなた)自身がお店の現状を把握するために
数字を使って、管理することがこれからの経営において大切になってきます。
ただ、その前にあなた自身の覚悟を決めなければなりません。
店の経営に携わるのであれば、これからは本気で経営の勉強をして、
自分が店を持つんだという気持ちで取り組まなければ、
ご両親も納得しないでしょうし、経営が中途半端になってしまう可能性があります。
なにも知らない状態で、
「こうしたらいいのでは?ああしたらいいのでは?」
と意見するのはよくありません。
まずは、ちゃんと店を経営している方の視点になってみて考えることです。
そうしないと、ただの厄介者扱いされて終わりです。
そして、ある程度経営に携わるのであれば、
今、仕事で料理をしているのであれば、集中してできなくなります。
大学とかで勉強しているのであれば、学校の勉強は二の次にする勢いでないと、どっちも疎かにしてしまうので、
まずは、自分でやる覚悟を決めて下さい。
経営の知識が乏しい状態で、店の経営に携わっていきたいのならなにをするべきか?
一番の近道は、
『売れている飲食店で働き、経営のノウハウを働きながら学ぶこと』
ですが、
そんなことできない方もいらっしゃるでしょう。
ですので、
両親が居酒屋を経営する息子さんの立場になって考えてみた時、
私だったら、まず何をするか?
それは、お店でのお金の回り方を把握することです。
どの業者から、毎月いくら仕入れて、食材の原価はどのくらいで、売値はいくらで、どれだけ儲かっているのか?
大まかに言うと、こんな感じですが、
しっかり把握するには、数か月かかります。
やることは、
「損益計算書」を作成してください。
これは、店の状況を把握するために絶対に必要な数字の管理です。
そこで、店から出ていくお金、入っているお金を把握し、
状況をつかみます。
簡単に言うと、買い物したレシートをみて、
数字を記入し管理して、売上げがどれだけあったかを見るのです。
もしすぐに経営に直接携わるのは難しいかも
と思うのであれば、
食材の原価の計算をしてください。
ドリンクも同じです。
飲み物はカクテルなどブレンドするものでない限り、
仕入れたものをそのままお客様に提供するだけなので、原価計算は簡単ですが、
料理となると少し難しくなります。
お分かりの方も多いでしょうが、魚1匹仕入れて、
お刺身とかで出す場合、「歩留まり率」を計算しなければなりません。
昔の職人さんは、この原価計算を自分の“感覚”で計算していますが
じつはこの“感覚”ほど怖いものはありません。
それは食材の原価に関わらず、
経営でも同じことが言えます。
飲食店で使われる、「ABC」と呼ばれるものがありますが、
これは、お店のメニューで
- どの商品が売れ筋か(A群)
- まあまあ出ている商品(B群)
- 全然売れていない商品(C群)
に分けて管理するのです。
それぞれの売れているパーセンテージや原価を見比べてみて、
今後のお店の戦略を立てていったりします。
そのほか、経営する上で、集客や販促、広告など、
経営者はものすごくやることがたくさんあります。
ただ、全部一気にできないので、
まずは、自分がわかる程度で、少しずつでよいので
お店を数字で見ていくようにするのがおススメです。
もちろん数字以外も、
お客様へのサービスや、スタッフ管理も大事ですが、
それらも含めて、あなたに何ができるのかを考え、提案していくのが最初の一歩です。
何事もすぐにできるわけではありませんし、
特に「独立したい!」と思っている方は、
誰にも頼らず、全部一人で責任もって行動する!という心構えを持っていなければ、
いつか心が潰れます。
結構大変だと思いますが、それ以上に対価があるやりがいのある人生になるでしょう。
頑張ってください。